ぬか床の作り方、基本編!

総合評価: 4.035 件のレビュー)

本格的に暑くなる前に作ろう!日本の伝統食「ぬか漬け」

ごはんとぬか漬け

江戸時代から食され、日本の伝統食品と言える「ぬか漬け」。最近健康食の見直しから話題となっており、ドラマなどにも登場し、芸能人の方もぬか漬けを作るなど注目されています。自分で手作りするのは何だか難しそうに感じますが、ぬか床さえ作ればあとは季節の野菜を漬けて、毎日「ぬか床を底から混ぜる」という数分の世話で十分。献立を考える際の「あと1品のおかず」として調理いらずで食卓に出すことができます。

発酵が進みやすく、夏野菜が増えてくる6月~7月初旬がちょうどぬか漬けを始めるのに適した季節です。ぬか漬けに何度も挑戦してきた方も必見。身近な材料で無理なくできる「ぬか床」の作り方をご紹介します。

ぬか床作り方

ぬか床の材料(作りやすい分量)※2~3人家族用

ぬか床を作る材料
  • 生ぬか:1kg
  • 粗塩(国産):150g(ぬか重量の15%)
  • 水:1リットル(ぬか重量と同量)
  • 昆布:5×5cmが2枚程度
  • 切干大根:ひとつまみ
  • 大豆(乾燥):ひとつまみ
  • 鷹の爪:2本(種を取る)
  • 粉がらし:小さじ1
  • 捨て野菜:適量(ここでは白菜1枚、きゅうり1本を用意)
  • 粗塩(捨て野菜用):適量

ぬか床を作る容器について

ここでは4リットルのプラスチック製のフタつき保存容器を使用。このサイズなら、冷蔵庫に入れることも可能。容器いっぱいに入れると混ぜにくいので、ぬか床を入れたときに7~8分目の深さになる容量が目安です。

  • ぬか漬け向き:ホウロウ製、陶製、ガラス製、木製
  • ぬか漬け不向き:アルミ製、鉄製

ぬか床の作り方

~ぬか床を作る~

作り方

1.鍋に水を入れて、火にかける。沸騰したら粗塩を加え、木べらで混ぜて煮溶かす。

ぬか漬けをつくるぬか漬けを混ぜる

2.漬ける容器にぬかを入れ、熱々の塩水を加えて木べらでかき混ぜる。粗熱が取れたら、手でまぜ、全体にまんべんなく塩水を含むようにする。耳たぶの固さ程度になる。

3.昆布、切干大根、大豆、鷹の爪、粉がらしを加え、しっかり混ぜる。

~捨て野菜を漬ける~

野菜に

4.野菜に塩を薄くまぶし、刷り込む。きゅうりは半分に折り、白菜はざっくりちぎる。ぬか床を底から大きくかき混ぜ、捨て野菜を漬ける。

5.表面を平らにし、ぬらして固く絞ったふきんで容器内側の側面をきれいに拭く。フタをして、暗くて涼しい場所に置く。

野菜を追加する

6.必ず始めの1週間は1日に2回朝晩底からしっかりかき混ぜる。2~3_日置きに、捨て野菜は取り出し、野菜の切れ端などを新たに加える。これを繰り返すうちに乳酸菌が増え、同時に野菜から水分が出る。始めの漬け上がりの野菜は塩辛いが、徐々に塩分濃度は薄くなる。5回以上捨て野菜を取り替えると、10日~2週間でぬか床が馴染んでくる。

失敗しないためのコツ

ぬか漬けは、目には見えない微生物が美味しさを作ります。微生物の種類は乳酸菌、酪酸菌、産_膜酵母などがあり、一つの生態系ができています。このような微生物のバランスがとれていると、いい香りがして美味しいぬか漬けができあがります。

微生物に影響を与えるのは「温度」「水分量」、そして「清潔を保つ」こと。毎日混ぜるたびに、縁についたぬかは綺麗な布巾で拭き取り、表面を平らにならしてください。布巾にアルコールスプレーを吹き付けて、容器を拭くとより安全です。とにかく毎日必ず自分の手で混ぜてください。自分の手の微生物がぬか床に加わることで、その家庭ごとのぬか床ができあがります。唯一無二の我が家のぬか床、ぜひ大切に作り続けてください。

ぬか床

もし、なかなか発酵が進まず、出来上がったぬか漬けが単に塩辛いだけの時は、漬物専門店で売っている自家製ぬか漬けを買い、その食材についているぬか床を自分のぬか床に加えてみてください。老舗の漬物専門店のぬか床から、微生物がバランス良く生きているので、熟成が早まり、安定したぬか床になりやすくなります。

ぬか漬け友達を作ろう!

ぬか漬けの作り方、いかがでしたか。まずは何事とも挑戦です。作りたい!と思った時が作り時です。最近はスーパーなどで調味料が調合されたぬか床が売っていますが、自分の手で一から作ったぬか床は美味しさも一塩です。作り始めてもなお失敗が不安な場合は、ご近所の漬物専門店や周りで作り続けている方を探してみてください。相談しているうちに縁も深まり、お互いのぬか漬けを交換したりして、ぬか漬け作りを楽しく続けられます。