インナーケアで体の内側から日焼け対策
6月、肌の奥深くまで到達してシミやシワの原因となる紫外線、UV-Aの量がピークに達します。この波長の長いUV-Aは雨の日でも地表に降り注ぎ、じわじわと肌の奥の真皮細胞にダメージを与えます。うっかり日焼けをしてしまった夜、ヒリヒリと火照りを感じて「あぁ、やってしまった・・」なんて経験、誰にでもあるんじゃないでしょうか。そんな時はまず、できるだけ早く氷水で絞ったタオルを肌に当てて冷却すること。炎症の熱を取ることで、シミの元であるメラニン色素を発生させる神経伝達物質(ヒスタミン)の放出を抑えることができます。それと同時に、忘れてはいけないのがインナーケア。長時間日にあたることによって発生する活性酸素(一重項酸素)を無害化する食べものを積極的に摂って、浴びた紫外線をなかったことにしちゃいましょう!
やっぱりトマトのリコピンが最強だった!
この活性酸素を消去する力が一番強い抗酸化物質がカロチノイド色素。アスタキサンチンやリコピンなど、濃い色の野菜に含まれる赤やオレンジの色素です。なかでもトマトのリコピンはメラニン色素の発生をダイレクトに抑制する効果が報告されています。そのトマトよりリコピンの量が1.5倍も含まれているのがミニトマト。各種ビタミンも2~5倍と、小さいながらとても優秀です。そんなミニトマトの美白成分を倍増させてより有効に摂るために、ぬか漬けにして栄養素をさらに凝縮させましょう。
ぬか床は素材の栄養価をぐんと上げる魔法の箱
野菜をぬかに漬けることで、素材の栄養素が2~5倍高まります。野菜の水分が抜けた分、ビタミンや食物繊維などの栄養素が凝縮し、同時にぬかに含まれる栄養素がぐんぐん野菜にしみ込みます。脂溶性のリコピンも例外ではなく、漬けた後は鮮やかな濃い赤になり、ぬかに含まれる脂質の影響で吸収されやすい形になります。さらに胃酸に強い植物性乳酸菌が生きたまま腸まで届くので、腸内環境の改善にも一役買ってくれるでしょう。
何と言っても一番の魅力はその手軽さと美味しさ。ぬかのアミノ酸によって旨み、甘み、酸味が加わるので、まるでフルーツのようなです。よく洗いヘタ付きのまま常温のぬか床に投入すれば、約半日で浸かります。それ以上漬けると崩れやすくなるので、冷蔵庫で寝かせましょう。今日は日差しが強そうだな、と思ったらお出かけ前に仕込めば、夕方には最強の「食べる美容液」で紫外線ケアができますね。
写真・文 : 岡本淳子(Aisha Beaute)