オレンジ色の宝石・干し柿の季節がやってきた

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干し柿の季節がやってきた

「ちょうどよかった!柿持っていきな!」
「(渋柿の)渋抜いておいたよ!」

干し柿

私の住んでいる香川県では、10月になると地元のスーパーの袋に入れられた大量の生柿が、あちこちで飛び交います。りっぱな柿の木のあるお宅では、たくさん成った柿を消費するのも一苦労。都会に住む方にとっては見慣れない光景と思いますが、秋は各家の軒先にオレンジ色の干し柿が鈴なりになる季節なのです。

おまんじゅうよりも甘いよ!という地元の方の言葉どおり、紐から外して干し柿を一口かじると、弾力のある食感と、ねっとり濃厚な甘みが口いっぱいにひろがります。生の柿が苦手な子どもも、干し柿をかじりながら遊んでいたりします。

昔から保存食として親しまれてきた干し柿

実は、干し柿に使われる柿は、とっても渋くて生食できない渋柿なのです。約1ヶ月乾燥させることで、渋みの成分であるタンニンが砂糖よりも強い甘み成分に変化します。元の柿が渋ければ渋いほど甘い干し柿になるので、もともと甘い生食用の柿は干し柿には向きません。

干し柿を自宅で試してみたい方は、渋柿ありますか?と八百屋さんやスーパーで聞いてみるといいでしょう。最近ではネット販売もされています。

家庭でできる!柿を簡単に渋抜きする方法

さて、軒下にぶら下がっているカジュアルなイメージの強い干し柿ですが、実はとても高級な種類もあるのです。その名も「あんぽ柿」。召し上がったことはありますか?

あんぽ柿のいろは

あんぽ柿

干し柿の一種であるこの「あんぽ柿」、通常の干し柿の水分量が約20~30パーセントなのに比べ、あんぽ柿はなんと約50パーセントもの水分を含んでいます。(品種や工程により多少違いが生まれるようです)食感も、干し柿の「ねっとり」に比べて「とろ~り」。糖度は50度前後と、通常の干し柿に比べやや低めですが、それでも和菓子と同じくらいの甘さを誇ります。

作り方の違いとしては、硫黄で燻蒸する工程が入り、通常の干し柿よりも乾燥期間が短め。そのためジューシーな食感が残るのです。

最近では有名人の引き出物に入っていたことで一躍有名になった「あんぽ柿」。特別な日のおやつに、贈り物に、また普通の干し柿との食べくらべも楽しいかもしれません。βカロテンが豊富で、美容効果も期待できる干し柿を、ぜひ普段の生活に取り入れてみてくださいね。

柿の栄養と効能を知って、季節の変わり目を元気に!