紅白なますの意味。そもそも「なます」ってなに?

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紅白なますは縁起物

お正月に食べるおせち料理を彩る料理のひとつに、紅白なますがあります。紅白はその名の通り、紅い色と白い色。おせち料理の紅白なますでは、紅色には人参を、白色には大根が使われるのが一般的です。紅白なますに使われている大根と人参は、土の中にまっすぐに伸びていく姿から、地に足をつけて家族が日々過ごせるようにと願う気持ちも込められています。

紅白なます

紅白なますの作り方はとてもシンプルで、大根と人参を細く切って、塩もみしてから甘酢とあえます。酢とあえることで保存食となります。また、大根には消化の促進や疲労回復効果やジアスターゼなどの消化酵素や食物繊維が含まれており、人参には整腸作用や免疫力を高めるβ―カロテンやリコピンの抗酸化作用があることから、冬のからだを整えてくれる力が含まれています。

おせちの季節、紅白なますの作り方

「なます」ってそのそも何?

そもそも「なます」というのは何でしょうか?

辞書的に言うと、野菜を細く切って、甘酢であえたものをなますと呼びます。古くは魚や肉を細かくきざんで、調味料とあえたものを「なます」と呼んだそうです。なますの語源には諸説あるようですが、野菜に、生の魚を酢とあわせて作ることが由来とも言われます。今では野菜などを酢であえるものを「なます」と表現するようになりました。

鮭のとれる地域では、郷土料理として薄切りにした氷頭(鮭の頭の軟骨)と、大根・にんじんを合わせ、そこに甘酢であえた「氷頭なます」や、柿・干し柿を細く切りにしたものを加える「柿なます」など、いろいろな「なます」料理があります。

大根と人参だけのさっぱりとした紅白なますに、柿を加えることで、柿の甘みによって味わいに深みがでたり、柚子の皮を細かくきざんでそえることで風味豊かにもなります。ちょっとした工夫でなます料理の幅も広がります。

おせち料理の準備がはじまる

12月半ばを過ぎるとおせち料理の準備をする時期となります。おせち料理は、新年を家族が健やかに過ごしていけるようにと願いを込め、縁起の良い語呂合わせを持つひとつひとつの食材を準備します。そしてその福が幾重にも重なるようにと重箱の中に詰めていきます。

子供に伝えたい、おせち料理の由来と食材の意味

また、おせち料理を年末に用意する理由のひとつには、元旦から3日の間は、わたしたちの食をささえてくれている、火の神様や水の神様への感謝の意味も含まれていて、炊事場で煮炊きしないように、お餅と3日間保存ができる食材をおせち料理として用意すると昔、母から教わりました。

そして日頃から家族に食事をつくってくれているその母もお正月の3日間は食事をつくることなくのんびりとできる時間でもありました。母に感謝し、いろいろなことに感謝するお正月という年の節目。そんなことを想いながら迎える新しい年がとても楽しみですね。

おせち料理は保存食、普段忙しいお母さんに感謝を!