同じ野菜でも品種によって特徴が異なる
多くの農家さんは野菜を作る際に、オーダーをもらって野菜を作ります。そのオーダーは平均して、収穫の約1年前にもらいます。なぜなら、畑の準備や野菜の生育にとても時間がかかるためです。そして、土質や水はけ、風の当たり具合や前作に何を作ったか等の畑の特徴を考慮して、野菜作りの準備をします。その準備はとても多くのことをやらなければなりません。
ですから、農家さんが「百姓=百匠(何でもできる人)」と言われる理由はそこにあるのかも。そして、その準備の1つに、野菜の品種選びがあります。これは、同じ野菜でも品種によって特徴が異なるため、その野菜がどのような用途に用いられるかを踏まえた上で決められます。
美味しいかぶの見分け方。実が大きいかぶがおいしいわけではない!?
では、品種によるかぶの違いを比べてみましょう。
- 食味重視:味にこだわりが強い農家が作る場合が多く、個人宅配での販売が多い。
- 見た目・棚持ち重視:食味の良さよりも商品棚に並べたときにくたっとしづらいことから、スーパーなどの小売で多く販売。
- 大きさ重視:漬物などの加工品に使われることが多い。
こうした品種の違いを見た目で比較すると、食味重視の品種は、棚持ち重視の品種に比べて、茎が細い傾向にあります。その茎の太さは、
- 食味重視:ストローくらい
- 見た目・棚持ち重視:ストローよりももっと太い
とのこと。かぶを買う際は見てみてくださいね!
また、大きく育てすぎると、“す”が入る可能性もあります。かぶは実が大きいからおいしいというわけではないようです。※“す”とは?:野菜の中にスポンジ状の空洞ができること。熟し過ぎ(生長し過ぎ)た場合にできる。
かぶのおすすめの保存方法
かぶは一般的に大根より甘く、初夏はかぶは皮も柔らかくおすすめです。そんなおいしいかぶをすぐに使わない場合は葉と実の部分を分けて、直接冷気が当たらないように袋に入れて冷蔵保存。葉は実よりもわるくなるのが早いため、おすすめの保存方法はよく洗い、細かく刻んで、保存袋に入れて冷凍保存します。茹でてから冷凍保存すると、水分が出て葉同士がくっついて保存されますが、茹でないで保存すると、ふりかけのようにさらさらな状態で保存できるので使いやすいとのことです。これを味噌汁やスープに入れたりするのが便利だそうです。
農家さんのおすすめの食べ方は、ダイコンおろしのようにすりおろしたかぶをごはんに乗せてお醤油をかけて食べることだそうです。あとは、皮つきでステーキのように焼き、オリーブオイルと塩でいただくのもおすすめとのこと。かぶは蒸すだけでも素材そのものが持つ味を楽しむことが出来るので、どんな料理にもアレンジがききます。ぜひ自分だけのかぶ料理を見つけてみてくださいね。ちなみに、今回話を伺ったヤナガワファームの柳川貴嗣さんはカレーに入れたり、麻婆かぶなんかも食卓に並ぶようですよ!
文:松田悠/地域環境学習コーディネーター
丸ごとかぶ蒸しで、ほっとする淡い味わい