断然、美味しい。蕪蒸しでほっこりと。
春の七草の中の「スズナ」とは蕪のこと。
とはいえ、まだポカポカ陽気には遠く…寒さが増すこの時期の蕪は大変育ちが良いです。サラダにしたらシャキシャキとした食感が立ちますから、蕪、本来の味を味わうなら蒸すことをおすすめします。水分が飛んで甘みが深くなります。
さて「蕪蒸し(かぶらむし)」というと海老や魚と一緒に磨り下ろした蕪と卵白を蒸す日本料理ですが、今回は蕪の美味しさを目一杯味わいたいと、シンプルに蕪だけで作りました。
丸ごと蕪 蒸しの作り方
材料・2人分
蕪…小4つ
卵白…卵1つ分
出汁…1カップ
淡口醬油…小さじ1と1/2
みりん…小さじ1と1/2
葛粉…大さじ1
出汁または水(溶き葛用)…大さじ1
作り方
1.皮を剥いた蕪を2つをやや深めの器に入れて、蒸し器で5分〜10分蒸します。 竹串をさし、柔らかさを確かめます。そのまま、8分目まで蒸します。
2.残りの2つの蕪を皮を剥いて磨り下ろし、水分を切ります。
3.卵白を泡立てます。
4.2と3を合わせます。
5.柔らかくなった蕪の器に4を入れてさらに5分蒸します。
6.葛あんを作ります。出汁を火にかけて、淡口醬油、みりんを入れます。
7.葛を水(または出汁)で溶き、6に入れて、だまにならないようにかき混ぜて、とろみをつけます。
8.蒸し上がった蕪に葛あんをかけます。
※蕪の皮は香りがよく栄養価が高く、食物繊維が豊富です。皮付きのまま磨り下ろしてもよいのですが、今回は均一な食感にしたかったので皮をむきました。
蕪丸ごとだから美味しさが深い。
器の蓋をあげるとフワッと湯気がたち、中にほっこりと蕪が顔を出している…
まるで雪に埋もれた蕪を食べるようです。温かな部屋で見立ての雪をいかがでしょうか。
ふーふーしながらいただく、蕪の風味や旨味、深い味わいがお腹の中にじんわりしみこみます。
…気づけば、足先までポカポカに。
熱を加えた蕪を食べると、胃が休まり、身体の真ん中から温まる効果があります。また、とろみをつけるのは片栗粉でもできますが、特にこの時期ならやはり身体が温まる葛がおススメです。蕪と葛のトロトロ感がたまりません。寒さを乗り越えるためにも、この組み合わせで召し上がってみてはいかがでしょうか?
(文・写真・イラスト/ほしまさみ)