うぶ毛も気にせず、桃は皮ごと召し上がれ

総合評価: 4.035 件のレビュー)

じゅわっと果汁。皮ごと丸ごとが美味しいって本当?

桃色のまあるくぷっくらした形は柔らかなあかちゃんのほっぺのよう。桃は見ているだけで気持ちが和みます。口にすると優しい甘さと果汁が広がり、身体の疲れも癒されます。

ところで、この桃をどのように召し上がってしますか?
我が家は多くの人がするように切って皮を剥いて食べていました。ところが皮を剥いてお皿に置いた瞬間からなくなっていきます。桃がお皿にのる状態はなしに…桃好きの息子はぺろりと一つ完食。残った種を私がしゃぶることに。(行儀が悪いですよね…でもココが一番美味しいと個人的には思っています)ならば丸ごと渡してしまえばいいんじゃないかしら?この時期だけのものだから贅沢にいきましょうよ!

聞いたところによると、桃農家さんは皮ごと丸ごと食べているとか。皮と実の間が美味しいから美味しい部分を捨てるのはもったいないそうです。たしかに皮を剥く手間もなく気軽に食べることが出来ますよね。
でもほんとに美味しいのかな?半信半疑だったので試してみました。

もう失敗しない!桃の上手なむき方/切り方

桃を丸ごと食べるコツ

丸ごとといっても気になるのが皮の表面にある産毛。ちょっとチクチクしますよね。この産毛がなければ丸ごと食べるのも普通だったかもしれません。

桃のうぶ毛

新鮮な程、うぶ毛が多いのですが、人によってこの産毛が刺さると、口が痒くなったり赤く晴れてしまったり反応を起こす場合があるそうです。口腔アレルギーの自覚ある人は気をつけてくださいね。
皮ごと食べるなら、まず桃をよく洗います。それから薄いさらしやフキンなどで優しくうぶ毛を落とすように拭います。

桃の産毛をとる

すると、つるっとした表面になります。ここまで来たら丸ごとがぶっ!

桃を丸ごと食べる

皮のハリある食感と柔らかな果肉との出会い…皮と果肉の間の甘み、ジューシーさ…そして種の近くの甘みといったら…余すことなく桃を充実体験してください!
それでも皮が気になりましたか?
そんな方に。うぶ毛を丁寧に落とした後は、皮が指でぺろんと剥けるようになりました。お試しください。

「実」を守るためのうぶ毛

かわいい見た目に思わず頬ずりしたら…チクチクッ!
「さららないで」ぴしり!となんだか叱られてしまったよう。
動物に昆虫、身を守るための本能を備えていますが、植物も同じ。
桃は皮の表面にみっしりと短くもとげとげしいうぶ毛で覆われていますが、これは「実」を守るためです。
こんな甘い果物。虫はおいしそ〜とよってくるでしょう。小さな虫はこのうぶ毛のために上を歩くことはできないですし、かじることもできないですよね。

また、太陽の強い日差しと、気温上昇による実の乾燥を防ぎ、冷え込んだ夜の気温変化でおこりうる実のダメージを防ぎます。
水をはじく効果もあるので、病原菌からの感染を防いだり、皮にある呼吸のための小さな穴に埃や汚れをつけないためでもあります。桃が桃であるたの重要な役目を果たしていたのですね。
そしてこのうぶ毛のおかげで私たちは美味しくいただけるのです。
この夏は「丸かじり!」でとことん桃を味わってみませんか?

桃を丸ごと食べる

文・写真・イラスト/ほしまさみ