家庭の定番食「ほっくり」かぼちゃ煮を作りましょう
家庭料理の定番、かぼちゃの煮物。甘くほっくりした食感は穏やかな気分になります。お決まりの一品であっても、ちょっとした手順で味や食感が左右されてしまいます。特に多いお悩みの種は煮崩れをして、べちゃっとすること。そこで今回は「煮崩れしないためのポイント」をお伝えします!
煮崩れしない方法は「火を入れる前の準備」
煮崩れをしたり、べちゃっとしたりするのは火が均一に通らないことや食材同士が鍋の中であたることが原因です。それらを防ぐには火を入れる前の下準備が整っていると、おおかた上手く煮物を作ることができます。
【ポイント1】水につけてでんぷんをぬく
一口大に切ったあと、30分程、水につけてから煮るとでんぷんが抜けて煮崩れしなくなります。
【ポイント2】面取りをする
煮物を煮崩れせずきれいに作る方法「面取り」。切った野菜の角を薄く削ぎ取ることです。切りっぱなしだと尖った角から火が通るので中心が煮上がる前に周りが柔らかくなりすぎて煮崩れを起こします。面取りをしていれば全体的に均等に火が行き通ります。食材同士のぶつかり合いも抑えることになり、ムラなく火を通し見た目よく仕上がります。また煮汁に触れる面が広くなるため味の染み込みがよく調理時間が短くなります。
【ポイント3】鍋の中のかぼちゃは「重ねない」
鍋の大きさに注意しましょう。切ったかぼちゃは重ねず、隙間を空けすぎず、ぴったりと収まるくらいがベスト。大きすぎる鍋はかぼちゃが動いて煮崩れします。小さすぎて重ねてしまうと火が均一に通らず、味にむらが出ます。また皮は下にして煮ます。
【ポイント4】かぼちゃから出る水分を活かす
火を入れる前に砂糖をまぶして30分以上おいておくとかぼちゃから水分が出て、砂糖を溶かします。かぼちゃから出る水分と少量の水だけでも焦げずに煮ることができます。
※4つのポイントを全てやることは手間と時間が多少かかるので忙しい時は大変かも知れません。【ポイント1】や【ポイント2】は前日にやっておいたり、他のものを調理している合間に【ポイント4】の水分出しをするなど…分けて下準備を行なってみてください。全てやらなくても、鍋の大きさと、砂糖をまぶして水分を出すだけでも違いが出ます。
醤油と砂糖だけ「かぼちゃ煮」の作り方
みりんをいれたり、お出汁を入れたりする美味しさもありますが、今回はうちの定番、シンプルに醤油と砂糖だけで作る方法をお伝えします。
【材料】
- かぼちゃ:1/4個
- 醤油:小さじ1
- 砂糖:大さじ3
- 水:大さじ3
1)綿と種をスプーンで取り除く。
2)かぼちゃの皮は硬い部分や変色した部分を削ぎ落としきれいにする。(切り口を下にして安定させると削ぎ取りやすい)
切り口を下にして横に置き半分に切ってから(皮を下にむけると2つの三角形ができる)三角形を三等分にしてさらに一口大の均一に揃えた大きさに切る。
*写真のかぼちゃは小さめでしたので、三角形の後は2等分になりました
3)一つ一つを面取りをする。
4)30分程、水につけて、でんぷんを抜く。
5)水をきり、かぼちゃがぴったり収まる鍋に皮を下にむけて並べる。砂糖をまぶす。10分から20分後砂糖が溶け出します。20分〜1時間置いておく。(前日にまぶして冷蔵庫に入れていても大丈夫です)
6)かぼちゃと砂糖が入った鍋に醤油と水も入れて火にかける。最初は強火でふつふつしたら中火にし、落としぶたをする。煮汁がほとんど残らなくなるまで煮る。
煮崩れなくきれいに出来るとうれしいですね。面取りや鍋の入れ方などの下準備を参考に、味付けはご家庭の味でもお試しください!
(文・写真 / ほし まさみ)