きめが細かくてやさしい甘さが魅力
半原かぼちゃは岐阜県瑞浪市で古くから栽培されているかぼちゃで、飛騨・美濃伝統野菜にも認定されています。1kg前後の小型のかぼちゃのお手頃サイズなので、別名「1人かぼちゃ」ともいわれています。水分を多く含む半原かぼちゃはきめが細かくてしっとりとしていています。
最近見かけるホクホクの甘いかぼちゃではなく甘さは控えめ。日本で昔から食べられてきた日本かぼちゃの一種です。
半原かぼちゃを残したい/岐阜・瑞浪市 土屋勉さん 勝股英昭さん半原かぼちゃはワンシーズンで2度おいしい
通常かぼちゃは夏に収穫した後しばらく寝かせて甘味が出てから出荷されますが、半原かぼちゃは熟すると皮がかたくなる為、収穫後すぐに出荷します。
半原かぼちゃは、まだ緑色の未熟果は皮がやわらかくて丸ごと美味しく食べる事ができ、さっぱりとした味わい。だんだん熟するにつれて皮が黄土色になって皮はかたくなりますが、果肉は更に濃いオレンジ色になって甘味が増し、香りも濃厚になってきます。熟していくにつれて変わる美味しさの変化も楽しみたい半原かぼちゃ。熟したかぼちゃで作るスープはなめらかで美味しく仕上がると飲食店の方からも好評だそうです。
かぼちゃはやっぱり煮物が一番
生産者の土屋さんに半原かぼちゃのおすすめの食べ方を聞くと「半原かぼちゃはやさしい甘さが魅力」あっさりとしているかぼちゃは煮物が一番おいしい!と土屋さん。密度が濃く、きゅっとしまった果肉は、煮ても煮崩れしないので煮物にぴったりなんだそうです。特にいりこと一緒に煮るのがおすすめとの事。いりこだしで炊いた方が半原かぼちゃの味が楽しめて、美味しく炊けるそうです。
農家さんおすすめ・かぼちゃの煮物の作り方
かぼちゃ農家の土屋さんがおすすめする「いりこを使ったかぼちゃの煮物」作り方を聞いて作ってみました!
かぼちゃの煮物材料
- 半原かぼちゃ:1個(500~600gくらい)
- いりこ:8~10匹
- 水:2.5カップ(かぼちゃがひたひたに浸かるくらい)
- 酒:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:大さじ1.5
- 醤油:大さじ1
※(醤油の濃さや砂糖の量はお好みで)
煮物作り方
- かぼちゃは食べやすい大きさに切ります。
- いりこの頭とおなかを取ります。頭とおなかを取ると、苦みのない出汁がとれて、身を割く事で旨味が出やすくなる効果もあります。
- 鍋にかぼちゃと水を入れて火にかけ、かぼちゃに串が刺さるくらいのやわらかさになるまでコトコト煮ていりこを投入。アクが出てきたらすくい取ります。
- 酒・砂糖・醤油を入れて水分がなくなるまで煮詰めたらできあがり。
半原かぼちゃは実が締まっていて、他のかぼちゃよりかたいので、最初は水でやわらかく煮るのがポイントだそうです。
いりこの風味がおいしい、やさしい味のかぼちゃの煮物です。
野菜ソムリエ・ナチュラルフードコーディネーター/桜井さちえ
にぼし出汁の取り方は意外と簡単!