切り方ひとつで七変化
多くの人が常備する野菜のひとつ、じゃがいも。アレンジがしやすく、あらゆる料理に活用できることから、日々の献立には欠かせない存在ですね。また、切り方次第で食感と味わいが変化するのもじゃがいもの特徴。適度な硬さで切りやすく、繊維の方向を気にする必要もないため、その形状は自由自在に変えられます。男爵やメークインなど品種によって食感は多少異なりますが、ここでは男爵を使い、レシピなどでよく使われる「切り方」を紹介します。
ホクホク感と甘みが出る切り方
乱切り
はじめに、半分に切ってから(大きいものは4分割にする)、少しずつじゃがいもの向きを変えながらひと口大に切ります。そうすることで、切った面が多くなるため、まんべんなく火が通り、味が染み込みやすくなります。煮込み料理にはこの切り方がよいでしょう。
くし形切り
房にそって切る柑橘類と同じ切り方です。縦半分に切ってから、くし形になるように切ります。フライドポテトでよく見る形ですね。揚げる時は低温からじっくり揚げると中まで火が通ります。
拍子切りとさいの目切り
まず、1〜2センチ幅の輪切りにします。切った面を縦に1〜2センチ幅で切った状態が拍子切り。拍子切りを90度に向きを変えて同じ幅で切ってサイコロ状にしたものがさいの目切りです。レンジで加熱したり、揚げたりと、おやつやサラダのトッピングにと、火が通りやすくホクホク感も味わえます。
あっさり風味になる切り方
半月切り
縦半分に切ってから、切り口を下にして5ミリほどの厚みで切ります。味噌汁やグラタンなどにぴったりの大きさです。短時間で火が通るので、甘みが出過ぎず、料理の味が引き立ちます。
スライス
厚さ1〜2ミリの薄い輪切りにします。スライサーを使うと均一でより薄くスライスできます。油で揚げれば手作りポテトチップスがあっという間にできますよ。
千切り
スライスしたじゃがいもを、少しずつずらして重ねて、端から細く切ります。サッと炒めたり、軽く湯通ししたりするだけで火が通ります。きんぴらやサラダにちょうど良いでしょう。
切り方だけでもこんなにバリエーションがつけられるのですね。たまには目先を変えた切り方を取り入れて、じゃがいも料理のレパートリーを広げるのも楽しいですね。
文/後藤菜穂