人参が1年を通じて店頭に置いてあるワケ
1年を通じてスーパーや八百屋さんで目にすることができる人参。1年中目にすることができるので、旬の時期はあまりピンとこないかもしれませんが、人参にも旬はあります。本来、人参の旬の時期は11月~12月と言われています。今は1年を通して産地を変えながら栽培されていますし、気候に応じた品種も栽培されているので、人参は1年を通じて目にすることができるというワケなのです。
新人参と人参は違うの?春になると登場する「新人参」
今日本で一般的に目にする機会が多い人参の種類は「向陽2号」というもの。これは江戸時代後期に入ってきた西洋種の短根系の人参を品種改良していった人参で、やわらかく、くせが少なく、甘みが強いのが特徴です。
春になると登場する“新人参”もこの種類のものです。
新人参は春のはじめに収穫される人参で、寒い冬を越えて育ってきているので、普通の人参よりもさらにやわらかく、甘みもあり、みずみずしいのが特徴です。よく“新○○”と呼ばれる根菜類を春になると見かける機会が増えますよね? “新○○”と呼ばれる根菜類は、その年の春いちばんに収穫された根菜類のことや、収穫後、乾燥や貯蔵をされずにすぐに出荷された根菜類のことをそう呼ぶようです。
新人参も春いちばんに収穫されてから、乾燥や貯蔵をされずにすぐ出荷されたものなので、畑から採れたてのとっても新鮮な人参が“新人参”なのです。
新人参は新鮮だけどデリケート、保存する時には注意が必要!
普通の人参は保存期間が比較的長く、購入後もしばらく保存ができますが、新人参の場合はそこまで日持ちがしないので気を付けなくてはいけません。その理由は、新人参は普通の人参よりも水分がたっぷり含まれているからです。新人参が手に入ったら、まずは水気をよく拭きましょう。新人参は太陽や風にあたるとしおれてしまうので、新聞紙などにくるんで、冷蔵庫や冷暗所などの涼しい場所で保存するようにします。そしてできるだけ早めにいただくようにしましょう。
普通の人参も美味しいけれど、さらにやわらかく、甘く、みずみずしさのある新人参は春にしか味わえません。この時期だからこその味わいを、堪能してみてはいかがでしょうか。