りんご「はるか」・凛とした岩手生まれりんごの話

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凛としたりんご・はるか

私が「はるか」という名前の友人に贈っているりんご、「はるか」。自分と同じ名前のりんごに驚き、喜んでくれています。彼女への季節の便りにこのりんごを贈るのが、私の毎年の習慣です。このりんごを選んでいるのは、友人と名前が同じだから、だけではありません。私のお気に入りの「はるか」は、そこにあるだけで「ただものではない」存在感があるのです。
贈る際に添えるコメントは、「凛としたりんご」。

岩手生まれの黄色いりんご

岩手大学名誉教授・横田清先生が開発した「はるか」。1977年から研究がはじまり、2002年に品種登録がされました。鮮やかな黄色、蜜の豊富さ、甘さ、濃厚な味わいが特徴のりんごです。糖度が高く17度以上もあり、酸味が少ないため、甘さを強く感じます。「はるか」を横に切ってみてください。その断面の細やかさ、蜜の多さにきっと驚くはずです。

りんごの品種

少し縦長で、キュッと引き締まったスマートな姿。気品溢れる「はるか」は、贈答用として人気上昇中、1玉1,000円を越える価格で販売されることも少なくありません。そんな「はるか」は箱入り娘。他のりんご以上に、手間ひま・気配りを要する繊細なりんごで、袋をかけずに栽培する「無袋栽培」がとても難しく、無袋栽培の経験が多い農家さんでもなかなか上手く行かないとか。無袋栽培のはるかは、少し小ぶりにはなりますが、さらに濃厚な味がぎゅぎゅっと詰まっています。袋をかけると黄色く育ちますが、袋をかけない無袋栽培では、ほんのり赤みのあるりんごになります。
ぱりっとしていてジューシー。スマートな姿に鮮やかなレモン色の果皮。小ぶりながら食べた瞬間に口いっぱいに広がるその味は、華やかさの中にしっかりとした芯を持つ「凛」とした女性を思わせるのです。

はるか

*無袋栽培:外でいっぱい遊んで日に焼けて元気な子を想像してみてください。りんごに袋をかけずに育てる方法で、少しざらついた果皮となるため、贈答用には控えられる傾向がありますが、太陽をたっぷり浴びて育つので、味は濃く、パリッとした食感の強い実になります。一方で、袋をかけた有袋栽培は、果実を保護できるため、収量を確保でき、なめらかな果皮の果実になります。

はるかの名前に込められた意味

最近は、農作物の品種名でかわいらしい名前をよく見かけます。みかん、じゃがいもにも「はるか」という品種があり、人気の名前のひとつです。実はりんごの「はるか」は、開発者・横田先生のお孫さんのお名前だそうです。愛らしさ、華やかさ、優しさ…そして周りのみなさんに愛される方なのでしょう。

私がはるかを贈っている友人は、SNSのプロフィール写真に「はるか」のりんごを使ってくれています。食べるだけの楽しみではなく、こんな風に愛されていることを知ったら、生産者さんもとても嬉しいはずです。その友人に、先日子どもが生まれました。いつの日か、その子が「ママと同じ名前のりんごだ!」と、気付いてくれる日がくるのを、密かに待っています。まだまだ売られることが少なくて珍しい「はるか」。見かけた際にはぜひお試しください。

りんごの高級品種