夏が近づくと見かける新生姜
6月に入ると、そろそろ夏の訪れを感じます。その頃、野菜売り場の店頭に姿を表すのが、新生姜。新生姜が流通する時期は、6月のはじめから8月の終わり頃までのおよそ2カ月間と短いのが特徴で、まさに夏の風物詩のようなお野菜ですね。ところで、生姜といえば、季節を問わず一年中流通し、薬味や風味付けとして大活躍、私たちの食卓に欠かせないお野菜の一つですが、この生姜と新生姜、一体どのような違いがあるのでしょうか?
生姜はそもそもどのように栽培するの?
一年中いつでも手軽にお手頃価格で手に入る生姜は、正式にはヒネ生姜と呼ばれます。新生姜もヒネ生姜も、実は同じ「種(タネ)生姜」から育ちます。新生姜と生姜の栽培方法を簡単に説明すると、まず「種生姜」を植え付けると、およそひと月ほどで、葉が伸びてきます。葉の下部分が細く膨らんできたところを収穫したものが、4月~5月頃に店頭に並ぶ葉生姜です。
新生姜同様、流通時期が短く、爽やかな風味と歯ごたえが特徴です。葉生姜から、さらにひと月経ち、葉生姜の膨らんだ部分がもっと大きく育ったものが、新生姜となります。種生姜から育った新しい「根」=新生姜なのです。そして、新生姜の収穫後さらに数カ月経った11月頃、ヒネ生姜の収穫が始まります。葉生姜や新生姜が収穫後すぐに出荷されるのに対し、ヒネ生姜は2~3カ月ほど貯蔵されるのが大きな特徴です。
新生姜とヒネ生姜風味や味に違いがあるんです
新生姜は、新しく育った「根」の部分であり、収穫後すぐに流通されるため、水分を豊富に含んでいます。また、生姜独特の辛みや風味が穏やか、皮や繊維がやわらかなのも特徴です。そのため、火を通さず、そのまま食べるのがおすすめです。シャキシャキとした歯ごたえや、爽やかな風味が楽しめます。また、生姜同様、殺菌作用や食欲増進作用があるので、暑さで体力を奪われがちな夏にこそ、積極的に食べたいですね。
あまり日持ちがしない新生姜ですが、風味を活かして美味しく保存するには、甘酢漬けにするとよいでしょう。新生姜をごく薄切りに、甘酢に漬けておけば、新生姜の爽やかな風味を長く楽しめますよ。洋風にしたい場合は、ハーブや野菜と一緒にピクルスにするのもおすすめの保存方法です。