体の中をあたためてくれる生姜の魅力
薬効が高く、漢方の万能薬としても用いられる生姜。手軽に購入でき、積極的に摂りたい食材の1つです。生姜の効用としてよく上げられるのが、殺菌作用、血行改善、消化促進、免疫力アップ、そして温め効果ですね。これから夏をむかえ、暑さが気になる時期ですが、暑い時期こそ気をつけたいのが、体の冷えです。暑いからと冷たいものを沢山摂ったり、冷房の効いた部屋で長時間過ごしたりしていると、いつの間にか体が冷えてしまい、不調を引き起こす原因にもなります。そんな時にこそ、体の中から温めてくれる生姜は強い味方です。
生姜の成分、ジンゲオールとショウガオールとは
生姜に含まれているジンゲオール・ショウガオール、この2つの成分こそが、生姜独特の風味・辛み成分です。これらの成分が体内の血行を促進し、エネルギー代謝を高めてくれることで、体があたたまるとされています。
ジンゲオール
ジンゲオールは生の生姜に含まれている成分で、血行を促進し、体の表面温度を高めます。また、体内に滞った余分な熱を放出する作用があります。暑さで体が弱っている時、風邪で熱がある時には、ジンゲオールの作用が効果的です。例えば、冷奴や素麺の薬味として生姜を添えるのは、夏の暑い時にぴったりの食べ方と言えるでしょう。また、ジンゲオールを加熱すると、ショウガオールという成分に変化します。
ショウガオール
ショウガオールは、胃や腸壁を刺激し体の内側から体温を上げる作用があります。そのため、体の中からじんわりとあたため、エネルギー消費効果も期待できると言われています。すりおろした生姜をあたたかい紅茶に入れて飲むと体があたたまる&ダイエットに効果的なのは、ショウガオールの作用だったのですね。
生と加熱した生姜では体のあたため方に違いが
生姜=あたためる、と言っても、生の生姜と加熱した生姜では、このようにあたため方に大きな違いがあることがわかりました。末端の血行を促進し熱を放出する作用のある生の生姜には、体の中心部を冷やす効果があるので、内臓の冷えが気になる時や、冷え性の人には逆効果となるようです。生姜=あたためるといっても、生と加熱で作用が異なることを覚えておき、自分の体調や体質に合わせて、適切な摂り方を選ぶとよいですね。
手軽に加熱した生姜を摂りたい方におすすめなのが、市販の乾燥生姜です。漢方では、乾姜と呼ばれ、新陳代謝を高め、体を芯から温める薬効があるとされています。暑い夏場こそ、体の冷えに注意し、健康管理に気をつけましょう。