みかんは栄養たっぷり!
寒くなる季節や、風邪のときに「みかん」を食べるといいと言われますが、どうしてでしょうか。みかんにはいったいどんな栄養素と効果があるのか、着目してみました。
みかんは“ビタミンC”が豊富で、みかん2個で1日分が補充できるといわれています。その“ビタミンC”は風邪の予防や、免疫力をアップする効果があります。その他にも血管中のコレステロールを取り除く“テレビン油”、疲労回復、便秘の解消に効果のある“クエン酸”が含まれています。そして“βクリプトキサンチン”は、みかんのオレンジ色の色素の一種で、ガン予防の効果があると最近注目されています。
みかんの白いスジは食べる派?
みかんを食べる時に、皮をむいて「白い筋」をとりたくなりますが、実はこの白い筋に重要な栄養素が含まれているのをご存じでしょうか。この柑橘類の果皮の内側にある繊維状の部分を「アルベド」と呼びます。このアルベドには食物繊維はもちろんのこと、実の部分に比べて300倍もの“ビタミンP”が含まれています。“ビタミンP”とは、ビタミン様物質と呼ばれるもので、“ヘスペリジン”“ルチン”“エリオシトリン”等の総称です。このうち“ヘスペリジン”はみかん由来のポリフェノールで、みかんの実の部分より、皮、袋、スジの部分に多く含まれています。“ヘスペリジン”は柑橘類に多く含まれ、毛細血管の強化、血中コレステロール値の改善効果、抗アレルギー作用、発ガン抑制作用があるといわれています。白いスジごと食した方が、栄養をたっぷりとることができるということですね。
みかんの皮~別名「陳皮」で入浴剤づくり
ただ、いくら栄養素が多く含まれていても、みかんの皮でジャムを作ったりも出来ます。それでも皮まではなかなか食べることができないもの。そこで、みかんの皮で入浴剤をつくってはいかがでしょうか。
作り方
1.みかんの皮をさっと洗い、陰干しします。
2.カラカラに乾いたら、ネットに入れ、浴槽にいれます。
このみかんの皮を干したものは、「陳皮(ちんぴ)」と呼ばれ、漢方薬の一種として多く使われているものです。浴槽に入れることで、保温効果に優れ、「冷え」や「リウマチ」にも効果があるといわれています。みかんを美味しく頂いた後は、陳皮入りの入浴剤で「みかん風呂」をつくり、ほかほかに温まりましょう。
香りもよく、一日の終わりのリフレッシュに最適です。
まだまだある!みかんの皮の活用法
寒い時期に美味しい果物といえば、やっぱりみかん!手軽に食べられる果物として不動の人気です。ところで皆さんはみかんを食べた後の皮、どうしていますか?
そのまま捨てているのなら、ちょっと待って!実はいろんな活用法があるのです。今日はおいしく食べた後のみかんの皮の活用法をご紹介いたします。
消臭剤のかわりやお掃除に
食べ終わった後のみかんの皮を、ざるや新聞紙の上に広げ、風通しの良いところ置き、カリカリになるまで乾燥させます。乾燥した皮は、ガーゼ等の布袋に入れ、冷蔵庫やげた箱の中など匂いの気になるところに置きましょう。気になる匂いをすっきり吸収してくれますよ。
また、みかんの皮に含まれる精油には、油汚れをすっきり落としてくれます。エタノールに乾燥したみかんの皮を2~3日浸しておいたものを、コンロや換気扇など油汚れのひどい場所に吹きかけておくと、油をすっきり落としてくれます。爽やかな香り&お肌にやさしいので、掃除の時間も楽しくなりそうです。
実は皮も食べられる!?
実は漢方の生薬「陳皮(ちんぴ)」は、みかんの皮を乾燥させたもの。陳皮には、喉の痛みや咳止め、風邪の初期症状の緩和をはじめ、胃炎や胃もたれにも効果があります。食べ終わったみかんの皮を丁寧に洗って水けを切り(無農薬やワックスのついていないものを選ぶと良いでしょう)、風通しの良いところでしっかりと乾燥させます。ミルで粉末にして、お茶やスープ、ヨーグルトにかけて摂りましょう。喉の調子が悪い時にオススメです。甘味が欲しい時は、はちみつやプルーン、メープルシロップを足すと美味しく頂けます。胃の調子が悪い時は、カップに乾燥させたみかんの皮小さじ1と好みの量のはちみつに、お湯を注いで飲みます。胃がじんわりと温まり、不快な症状が和らぎます。
なんと肥料にも使えます
家庭菜園やガーデニングを楽しんでいる人にオススメの活用法がこれ。乾燥させたみかんの皮を細かくしたものを、土に混ぜて使います。みかんの皮はビタミンをはじめ多くの栄養素が含まれており、みかんの皮を肥料に使うと土壌の品質が向上し、糖度の高い農作物がとれるそう。
こんなに活用法が豊富なみかんの皮。今まで捨てていたのが勿体なく感じてしまいそうですね。
(写真・文:峰 亜美)