剥きやすい春のみかん、ポンカン
春の品種の中でも、手で剥けて食べやすい品種の代表的存在、ポンカン。安価で手軽に購入でき、ポピュラーで入手しやすい品種です。薄くてふわっとした外皮なので、ぽろっと剥けます。ポンカンが出回る時期は、早いと1月頃から見かけますが、3月後半まで楽しめます。長く扱っているところもあるので、運が良ければ四月まで手に入れることができます。
とにかく食べやすさが特徴。剥きやすさも然ることながら、味も、酸味が少なく、甘くてとても香りが良いのでどなたにでも好まれる味です。お子さんも抵抗なく食べられます。たまに種があるので、お子さんが食べるときは気をつけてあげて下さいね。
ポンカンっていうみかん
実は元々日本にあった品種ではないのです。原産国はインド。インドのPoona(プーナ)という地名から、「ポンカン」とよばれるようになりました。中国、台湾を経由して明治の中頃、日本に渡って来ました。現在ではブラジルなどでも生産されています。
現在日本では、愛媛、高知などの四国地方、鹿児島や宮崎などの九州地方で多く生産されています。同じ「ポンカン」でも、いくつかの品種があります。そうですね…温州みかんで言ったら宮川早生や久能、南柑20号などの種類があるように、「太田」や「今津」「吉田」などいくつかの品種があり、生まれや育ちが違います。味の特徴にも少しずつ違いがあります。
ポンカンはみんなのおかあさん
実は、ポンカンと別の品種を掛け合わせて作られた品種がいくつもあります。その多さは、まさに「おかあさん」。有名なところでは、一般的には「デコポン」の名前で知られている「不知火」そして「はるみ」。なんとこの二種類、清見タンゴールとポンカンから生まれた品種で、親が全く同じなのです!イメージはだいぶ違いますが、姉妹だったんですね。
そして、ポンカンとネーブルオレンジを掛け合わせたものが「タンカン」、ポンカンと青島温州を掛け合わせた「早香」などなど、実に様々な品種の掛け合わせに使われているんですね。ポンカンそのものと、掛け合わせたみかんの品種を食べ比べ、なんていう楽しみ方もアリかもしれません。