「三豊市の果物」をお客様に直接届けること
組橋さんは「まるく農園」の名前で、みかんやキウイをショッピングモールの産直コーナーやインターネットを通じて販売しています。販売当初、香川県のみかんは県外の認知度が低く苦労することもありました。しかしお歳暮などの注文を受けて県外にも発送する機会が少しずつ増え、リピーターにも繋がっていきました。
みかんの箱詰めは組橋さんの仕事。現在は年間3000件分の箱詰めをひとりで対応しています。「出荷のピークは12月です。忙しさで頭が真っ白になるときもありますが、お客様から直接美味しかったという声が届くと丁寧に箱詰めしようと思います」。
農業は食の原点なのでお客様の声が近いとのこと。農園から直接販売しているため、責任とやりがいはひとしおです。
「農家が農家のためにやる地域商社」を目指す
「箱詰めはもちろん、営業、販路の開拓まで全てやっています」と組橋さん。ご主人が代表を務める「みとよのみプロジェクト」にも携わっています。「みとよのみプロジェクト」は、三豊市にある農水産物の販売や商品開発を行い、一次産業の新しい魅力を発掘しています。行政などから援助を受けて立ち上げたこのプロジェクトは、将来的に三豊市の農家自身で経営していくことを目標にしています。
「先頭を切って三豊市の農業のために活動している夫を見ていると、私も頑張らなくてはと思います」と前向きな気持ちで取り組んでいます。
夢だった食品加工にチャレンジ
栽培、出荷作業、農園の経営といった幅広いサポートを担う組橋さんには、食品加工をしたいという夢がありました。その第一歩として始めたのがキウイのドライフルーツ製造です。「運良くタイミングが重なりました。機械メーカーの営業の人が来たり、みとよのみプロジェクトで周囲の人たちがサポートしてくれたり・・・たくさんの人達の支えがあって、商品開発、販売まで実現できました」。
もちろん最初はメーカーの担当者に機械の使い方を教えてもらいながら、手探りの日々が続きました。「加工に適した熟度がいつなのか。その見極めが出来るようになることが最初の難関でした。キウイの個体差や季節などによって加減は異なります。試作を重ねてようやく、キウイを触ったら分かるくらいになりました。出荷時の選別経験がここで役に立ったと思います」。
多くの方との出会いが重なり、夢だった食品加工への道を踏み出した組橋さん。組橋さんのドライフルーツは現在県産品ショップなどで販売されています。今後は日頃からドライフルーツを求める方々に知ってもらえるよう、関西や首都圏を中心に販路を広げていきたいと話してくれました。
組橋さんのみかん畑の眼下には海が見えます。「ここは眺めがいいでしょう」と組橋さんの顔がほころびます。今後もこの三豊市で、ご主人と二人三脚で農業に取り組んでいきます。