何も知らずに飛び込んだ農業の世界で、夢がふくらむこれから/香川・三豊市 吉田靖代さん

総合評価: 4.035 件のレビュー)

農家に嫁いで

農家に嫁いで夫と仲間に支えられ、香川のオリジナル品種を栽培している吉田靖代さん。これからも常にチャレンジしていく生き方を教えて頂きました。嫁いだ先がたまたま農家だったという吉田さん。香川県の西部、穏やかな海に面した仁尾町で柑橘とアスパラガスを栽培しています。実家が兼業農家だったので農業になじみはあったものの、どっぷりと身をおくのは結婚してからが初めて。「専門知識がなかったことが逆によかったのかも」とのこと。どうしてそう思ったのか理由を聞くと「身構えずに取り組むことができたから、上手くいけばすごくうれしい。失敗しても、こういうものなんだなとフラットな気持ちで向き合うことができたから」とこれまでを振り返りながら話してくれました。

吉田

夫と仲間に支えられて

農業に携わるようになって約20年、それは夫婦2人3脚の歴史でもあります。これまで乗り切って来られたのは「積極的で向上心のあるタイプの頼もしい夫が引っ張ってくれたから。加えて地域の仲間も大きな支え」だと言います。当初、農家は周囲から孤立してしまうのかな?という不安を抱えていたそうです。しかし、周辺には柑橘を中心にさまざまな作物を育てている農家が多く、同世代の子どもをもつ女性も。「仕事のことや子どものこと、ちょっとした悩みでも気軽に話しやすい同世代の仲間は今も心強い存在です。年配の方も気にかけてくれるので本当にありがたい」と当初の不安は杞憂に終わったようです。

吉田

栽培しているのは、近年注目を浴びているアスパラガスのさぬきのめざめ。2005年に香川県で誕生したオリジナル品種です。一般的に流通している品種と比べて、長く、根元まで柔らかいのが特徴。「目視で見えにくい害虫を見つけるのは経験者でもなかなか大変」とこぼしながらも「春先にぐんぐん育っているのを見ると喜びもひとしお」と手にかけてきた作物を収穫する醍醐味を語ります。冬から春にかけては、ミカン、レモン、不知火などの瀬戸内の気候を生かした柑橘類を栽培しています。

吉田吉田

新しいチャレンジ

周辺では高齢化にともなって農地を縮小したり手放したりする農家もいます。「空いた農地を使ってみないか」という相談を受けて、これまで作付けを増やしてきました。これからは「子育てもそろそろ一段落。今後も続けていける範囲に調整したい・・・それにね」と吉田さんは続けます。「アボカドの栽培に興味があって詳しい人に聞きながら始めてみているの。ほかにも栗も植えてみたいねと夫と相談しています。趣味の域にとどまるかもしれないけど、やってみたくて」と楽しそうに今後について話してくれました。地域の仲間とのコミュニケーションを大切にし、夫妻で力を合わせて無理なく続けてきた吉田さん。それはこれからも変わりません。ライフステージや自分の興味に合わせて、仕事の幅や内容を調整できるのも農業のおもしろさのようです。

吉田

関連記事