なごりのたけのこはお刺身で、採れたては〝生で食べる〟〜臼杵農園のたけのこ掘りへ

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最高のたけのこは、お刺身で

タケノコ

「ほーほけきょ」
鶯がのどかに気持ちよく鳴く金比羅山の麓に広がる臼杵農園ではたけのこ堀りの作業がピークです。急な斜面の竹薮の中、主の臼杵さんはたけのこ掘りに夢中だから、鶯の声にも気づかないそうです。

「気温が上がり、たけのこが一日の間にすっとのびる適期。日付で言えば、4/15から4/25の10日間に出る、水分を十分に保った真っ白なたけのこです。これは生で、お刺身にして食べられます」

臼杵さんは、大きな鎌を力強く、かつ慎重に振り下ろします。1本1本手作業ですが、1時間で100本から200本も掘るそうです。「今年のたけのこは水分も十分にあり、何処のたけのこを食べてもハズレは少ない。ただ最高のものとなると話は別ですが…」臼杵さんの農園でも年に1本〜2本しか出ないという〝最高のもの〟とは、一体どんなものなのでしょうか?

たけのこをお刺身にして食べる

美味しいたけのことは?

極上のたけのこ

その極上のたけのことは、白く、柔らかく、えぐみが少なく、歯ざわりがよいもの。また香りがよく、適度な水分を保った瑞々しいものです。臼杵さんは淡く薄い緑色した穂先のたけのこを、土を掘り返します。まるで宝物を見つけたように。土の間から大きなたけのこが現れました。根元は白く、切り口からは、水分がひたひたと湧き出ていました。臼杵さんは包丁を取り出し、その場で極極薄く———先が透けて見えるくらいに、まるで〝ふぐ刺し〟のようにスライスしてくれました。

刺身を切る

口にいれるとシャキシャキとした歯ごたえ。えぐみを全く感じさせない、爽やかな甘みと美味しさ。まるで梨のようです。採りたてをその場で。自然の中で呼吸し、伸びよう、伸びようとする生命力がまだ生きているその瞬間を瞬時に頂く。これは料亭にもできない、究極に贅沢な〝たけのこのお刺身〟です。

たけのこ刺身

採った後でもたけのこは生きている。

美味しいたけのこが生まれるための条件とはどんなことでしょうか。

一番の要因は土質です。臼杵さんの掘り出したたけのこについた土は、べたっとしていました。
「粘土質の土は砂地のものよりえぐみが少ないです。たけのこは夜中に土の中の水分を吸収してグッと伸びます。水持ちが良い粘土質の中で育つ事で水分を持ったたけのこに成長するからです」
気温も大切で、3月末頃、日中の気温が25度になるとたけのこはぐんぐん伸びます。朝晩が冷えている頃が良く、夜の気温が16、17度に上がると硬くなります。夜の気温は美味しさの条件にかかせません。雨が少ないとえぐみが強まってしまいます。えぐみは成長しすぎたり、採った後、時間が経つと強く出てきます。たけのこは生育の一番いい時期に収穫する事が望まれます。一番美味しいのは根元部分。このあずき根部分(つぶつぶした所)は成長する程に赤くなります。ですから赤いものより白いものが新鮮です。

採れたてが美味しいのは、どのたけのこも同じです。たけのこは採った後、自ら発熱して、熱くなるそうです。その熱を冷まそうと、水分を出すので、瑞々しさが、時間が経つにつれて奪われてします。それを食い止めるために、臼杵さんは採ったたけのこを、すぐチルドにします。寝た状態(仮死状態)をつくり、日にちが経っても水分と鮮度が落ちないようにして出荷するのです。刺身で食べれるようないいたけのこも、収穫後すぐにチルドすれば3日、4日もつそうです。

みなさん、今年は何回たけのこを食べたでしょうか。新年度が初まる春にたけのこを食べると1年がたけのこのように上向きに成長していけそうな。ぜひ春の息吹を堪能してください。

臼杵農園の野菜が買える直売所
さぬきこだわり市
〒769-0301 香川県仲多度郡まんのう町佐文801-1
電話 0877-58-8511 FAX 0877-58-8522
(宅配便の〝こだわり農産物おまかせセット〟もあります)

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