60年の歴史!臼杵農園のたけのこ
香川県の金比羅山のふもとで60年続く臼杵農園では、今年もたけのこの収穫がはじまりました。このあたりのたけのこは「こんぴらたけのこ」と呼ばれ、土質が良いのでえぐ味が少なく、甘みと香りがつまった最高の風味が自慢です。臼杵さんはお祖父様の代から続く竹林で遊びながら育ち、小学生になると斜面に掘り出されたたけのこを集めてまわるのが仕事だったそうです。
たけのこの味を左右するのは「土質」。地下茎が上下に蛇行して広がっていくため「粘土質」が最適で、肥えた土地では枝葉が伸びて日陰をつくってしまうため、「痩せた土地」が良いそうです。竹林に足を踏み入れると土は予想以上にふかふかと柔らかく、見上げれば何種類もの緑色が重なり、まるで天まで登っていくような神々しい美しさです。
知らなかった「たけのこ」の話
毎年たけのこが旬を迎えると、「親竹」になるべくたけのこを選んで残します。残したたけのこはあっという間に大きな竹へと成長するものの、はじめてのたけのこが収穫できるのは2〜3年目。4年目、6年目…と偶数年によいものが収穫でき、5〜7年目を迎えると徐々に味が落ちるため伐採します。このように最高のたけのこをつくるために、臼杵農園の竹林は代々手をかけて大切に守られてきたのです。
たけのこ掘りのコツは「突く」!?
靴底の感触を頼りに斜面を歩きながらたけのこを探し、ここ!と決まればタケノコ掘り専用のクワで土をよけていきます。根が切られ、ブチブチブチ…と地中からこもった音が聞こえてきます。最後はクワを根元に当ててぐいっと突きます。臼杵さんは採れたての春を手に、「たけのこは『掘る』じゃなくて、『突く』って言うんですよ」と教えてくださいました。