たけのこのあく抜きに米ぬかを使うのは何故?
「たけのこを掘りはじめたら、お湯をわかしておけ」と言われるほど、たけのこは掘ってからあまり時間を置かずにあく抜きすることが大事です。でもたけのこの下ごしらえに米ぬかを入れるのは何のためかご存知ですか?何となくあく抜きには米ぬかを使う・・というのを聞くので使っています。という方も多いのではないでしょうか?意外とたけのこを作っている農家さんの中でも意味を知らないという人が多いのです。
たけのこをあく抜きする時に、米ぬかを入れる理由は2つあります。
- たけのこからえぐみを取り除きます
- たけのこから旨味を引き出します
まずたけのこ特有のえぐみの正体は「シュウ酸」と呼ばれる成分が原因です。米ぬかに含まれるカルシウムがこのシュウ酸に作用し、えぐみを感じない成分となります。えぐみを抜くというより、えぐみを感じなくするという理解の方が正しいかもしれません。
次に米ぬかに含まれる脂肪分やアミノ酸がたけのこの繊維を柔らかくし、旨味を引き出す作用があります。
シュウ酸は水にさらすと流れ出るのですが、それと同時にたけのこの旨味成分まで流れ出てしまいます。そのため旨味を残しつつ、えぐみを感じないようにするために米ぬかを入れるのです。
米ぬかに含まれているでんぷん質が、たけのこのアクを吸い取ってくれたり、お米の甘みが加わることで、たけのこの旨みがますという効果も期待できます。(管理栄養士/大畑千弦さん)
米ぬかが無い場合のあく抜きは米のとぎ汁で代用
米ぬかの代わりに米のとぎ汁でゆでても下処理できます。
こういったあく抜きの原理も、今は科学的に分析出来ますが、こうして考えると先人の知恵というのは改めてすごいなと感じます。
米ぬかが必要無いたけのこもある
たけのこは収穫してから市場を通り、店舗に並ぶまでに日数がかかるので、その期間にアクが出てしまいます。収穫直後のたけのこにはえぐみはほとんどありません。特に小ぶりのたけのこにはえぐみがないので、米ぬかを入れずに茹でても大丈夫です。
採れたてのたけのこが手に入った場合は、焼きたけのこがおすすめ。たけのこを皮ごとアルミホイルでくるんで焼きます。また、あく抜きをしたたけのこも、焼いて焦げ目をつけると違った味わいが出て楽しめます。たけのこは鮮度が命。あく抜きも必要の無い程、採れたてのたけのこ味わってみたいです。