夏の大根と冬の大根、品種が違うのはご存知ですか?
大根の旬は秋から冬ですが、今は品種改良によって一年を通して食べられる野菜になりました。みずみずしく、煮るとホクホク甘い冬の大根。それとは違い、夏に出回る大根は肉質が固く、煮物や漬物には不向きです。また、辛みが強いのも特徴で、大根おろしやサラダにするのは苦手な方も多いでしょう。冬大根と同じように調理したのでは、食感も味も違ってくるのが夏大根。せっかく栄養価の高い大根が通年食べられるのですから、工夫をして、夏もしっかり大根をいただきたいものです。
サクッと歯ごたえ、「焼き大根」
大根を、焼いて食べたことはありますか?こころもち丁寧に焼いてみてください。辛みの強い夏大根も、ほのかな甘みとさっぱりとした風味を出してくれますよ。煮物とはひと味違う、焼き大根ならではの歯ごたえのある食感が楽しめます。ただし、調理方法がシンプルなだけに、ポイントを抑えておかなければ、仕上がりに大きな差が出ます。「丁寧に焼く」、すなわち、ちょっとしたコツとひと手間が必要なのです。
大根を焼くコツ
- 基本的には1.5cm~2cmの輪切りがちょうどよい。
- 5分ほど下茹でする。
- 水分はキッチンペーパーなどで取り除く。
- 焼く前に塩などを振ると水分が出てしまうので、味つけは焼いてからがよい。
- 油を薄く敷いたテフロン加工のフライパンで、弱めの中火でじっくり焼く。
焼いた大根はアレンジ自在!
焼き方のコツを抑えておけば、大根は様々な味つけとよく合います。サラダ油だけでなく、オリーブオイル、バター、胡麻油など、どれも美味しく焼き上がります。焼き色を見ながら両面をこんがり焼いてください。香ばしく焼けた大根は、田楽味噌や照り焼きはもちろん、バルサミコ酢やバジル、トマトソースとも相性抜群です。
煮物と違い、お箸が通るほどの柔らかさではないため、一口サイズに切って盛りつけるとよいでしょう。洋風なら、ナイフとフォークでいただくと、大根ステーキさながらの目新しさが楽しめます。また、アレンジメニューとして、1cm角の棒状に切って軽く小麦粉をまぶしてから焼いてみてください。最後に塩を振ったら、おやつにもおつまみにもなる大根スティックのでき上がりです!
(文・写真/後藤菜穂)