赤いカニ・青いカニ
カニを市場で見かけることが増えてきましたね。カニ、といえば甲羅が赤いものをイメージしますよね。実際、市場に並んでいるカニは赤ではなく、青っぽいものがあります。それは水揚げされてすぐの「活きガニ」です。カニは火を通すことで赤くなります。ですので、私たちがイメージしている赤いカニは、茹でたり蒸したりしたものです。
カニについている黒いつぶつぶって何?
また、カニの甲羅についている、黒いつぶつぶを見たことはありますか?初めて見た時、あれって何だろう?って思いませんでしたか?あれは、カニビルの卵です。カニビルとは、名前の通りヒルの一種で、魚に付着して体液を吸って生きる生き物です。カニについているのは、カニの体液を吸うためではなく、岩場の代わりに甲羅を卵の産卵場所として選んでいるだけのようです。ちょっと気持ちが悪いですが、害はないということでホッとします。
そんなカニビルの卵ですが、「付着している数が多いと、身入りが良く美味しい」と言われることもあります。その理由は、卵の付着数が多いということは、脱皮してから時間が経っていると推測されるからだそうです。何故脱皮してから時間が経っていると美味しいのでしょう?
脱皮してすぐの若カニは美味しくないとのことで市場では安く売られるそうです。大きいのに安いカニは若カニの可能性もあるかもしれません。脱皮してから半年以上経ったカニは餌もよく食べて身がしまり、重さもある美味しいカニと言われます。ですので、カニビルの卵が多いというのは、脱皮してからの時間が長いため、美味しいと言われる理由になっています。では、そのカニビルの卵ですが、調理するときはどうすればいいのでしょうか?影響はあるのでしょうか?
カニビルの卵、どう処理する?
カニビルは人間には寄生しないので、うっかり食べてしまっても害はありません。カニビル自体は茹でたり冷凍したりすれば死んでしまいます。卵も、そのまま茹でてしまっても影響はないのですが、見た目が苦手な方はたわしなどでゴシゴシ洗ってしまえば取れますので、それから鍋に入れて調理してくださいね。
いかがでしたでしょうか?まとめますと、
・水揚げしたばかりのカニは青く、赤いものは加熱後のもの。
・カニの甲羅についている黒いつぶつぶは、カニビルの卵。
・カニビル・卵は冷凍・加熱で死んでしまう。もし口に入っても害のあるものではない。
・卵は、タワシでゴシゴシ洗えばとれる。
となります。
カニビルの卵は、一見ギョッとするかもしれませんが、正体を知ると安心しますね。カニのおいしい季節、ご家族でカニを楽しんでくださいね。