切り干し大根、大根の種類で味が変わるのかな?
最近の健康志向ブームで、和食の良さが見直され家庭で作るお惣菜や煮物が紹介されているのをよく見かけます。切り干し大根もその一つ。生の大根より栄養面でも優れている点、保存性、そして調理の手軽さ等々、取り上げられることも多いように思います。そんな切り干し大根は、簡単に作れることから自分で作ってみた方も多いのではないでしょうか。そんな皆さんは何大根で作りましたか?え?普通の大根よ!と思いますよね。
大根の品種が違えば、切り干し大根の味も違うのでしょうか?実際に作って、味比べをしてみましょう。
農家のこだわり、何大根?
ベテラン農家のおばさま方とお茶を飲んでいた時に、ある方が「青首大根だと切り干しはうまく作れない」と言っていました。しかし、我が家の義理の母は毎年青首大根で大量の切り干し大根を作って、農協の直売センターで販売しています。
ちなみに、青首大根は国内に流通している大根の90%を占めている最もポピュラーな大根。スーパーなどで見かける上の方が青い、あの大根です。義理母いわく、青首大根の方が味も食感も良い!というのです。そう言われては気になります。そこで、同じように切った大根で、同じように干して切り干し大根の比較をしてみましょう。
大根は部位によって甘さが違う、上手な大根の使い分け。青首大根、おふくろ大根、辛み大根の3種類で試してみました
まずは基本的な切り干し大根の作り方からおさらいしましょう。
切り干し大根の作り方
- 切り干し大根にする大根の皮は剥かなくても大丈夫。
- 千切りにします。千切りはあまり細すぎない方が、煮物等にしたときに美味しいです。
- 千切りにした大根をザルなどに広げて日に干します。
- 冬のよく晴れて乾燥しているときならば、3日間ほど干せばカラカラになって完成です。
今回は3日間干して、300gの大根が20gの旨みがギュウと詰まった切り干し大根になりました。見た目は3種類の大根とも同じ出来上がり、味はどうでしょうか?
3種類の切り干し大根でそれぞれ簡単スープを作ってみます。スープカップなどに切り干し大根と水を適量入れて、15分ほどおいて戻してから、切ったベーコンと顆粒コンソメスープの素をほんの少し入れて、レンジでチンすると簡単コンソメスープの出来上がりです。
さて、見た目はほぼ同じ、味の違いは?
- 青首大根:スープは大根の辛みが少し残っていて、大根の風味が好きな方には一番好まれる味です。
- おふくろ大根:スープは甘みが強く、反対に大根の辛みが少なく子供にも好評でした。
- 辛み大根:スープはまさに辛み大根!特有の辛みが強く感じられました。
切り干し大根を、冬の楽しみの一つに。
辛み大根で切り干し大根を作ったのは初めてでしたが、思ったよりから辛みが抜けてなくて、ビックリ!生の時からのそれぞれの味の違いが干してもそのままに生かされていて、改めて野菜の面白さを感じました。
切り干し大根はハリハリ漬けに、大根葉はふりかけに種類や切り方で、色々な切り干し大根を作って味比べ。皆さんも試してみてくださいね。長期間保存する際には、一回分ずつに小分けにして保存袋に入れて、冷凍保存すると色が変わらずに良いでしょう。冬の寒い日に切り干し大根を戻して料理を作る、そんなゆったりとした楽しみをたまには味わってみるのも良いのではないでしょうか。
写真・文 有限会社榎戸園 榎戸 芳