和梨のスタンダード。幸水のおいしさ

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今年も梨は幸水から始まる

じりじりと太陽が照りつける八月半ば。この頃、出会う梨はほぼ、幸水です。幸水は梨の中でも最も早く出回る品種。また和梨の中で生産量も多い(40%を占めるそう)ので、あなたの梨の初物が幸水となる確率は大変高いはず。では幸水ってどんな梨なんでしょう?幸水を知ってこれから益々美味しい、梨シーズンを楽しみませんか?

幸水とは

「三水」ってご存知ですか?名水…?ではなく…幸水・豊水・新水の日本梨の代表的な品種「三水」です。水分をたっぷり含んだ和梨の御三家といえるでしょう。

「豊水」ってどんな梨!?和梨の1つ幸水

そしてその先駆であるのが幸水。幸水は一番早いものでは7月頃に出はじめます。(この時期の幸水の出荷量は多くなくハウス栽培のものになります)その年一番最初に出る梨です。最も多く出回る時期が8月から9月にかけて。ですからお盆の時期の贈答品としても人気があります。

味の乗る収穫最盛期と夏真っ盛りで乾いたのどを潤してくれるので、幸水はこの時期にふさわしいフルーツです。食べた満足感+暑さから身体を養生させてくれます。人の身体と食べ頃がマッチした、梨の醍醐味が味わえる品種が幸水といえるでしょう。

7月下旬の九州産から流通し始め、8月上旬は千葉、中旬は茨城、9月上旬に福島と南から北に向かって産地が移り変わります。日本が南北に縦長にあるおかげで熟期を移動させながら旬のままに美味しく食べられるのは嬉しいですね。

「早生で旨い」を求めた梨

幸水は赤梨「菊水」と青梨「早生幸蔵」を両親とする赤梨です。昭和34年誕生したとき、果実は小さく形も悪く収量が上がらなかったそうです。それを長十郎の大産地であった埼玉県が「もっと早く出荷できる品種を作りたい」と、様々なせん定法を試すなど試行錯誤を繰り返し、果実を大きく、収穫量も増すことに成功しました。

豊水などより皮が薄く、はりがあり全体がふっくら。やや楕円形でおしりの部分がへこんでいるのも特徴です。

幸水は早生でおいしい

シーズン初めは黄緑がかっているものが多く出ているようです。時期が進んでくると褐色のものが増えていきます。黄緑がかっているものはやや酸味があります。甘み重視でしたらならなるべく褐色のものがおすすめです。

酸味がほとんどなく、甘く、果肉はしなやかに柔らかく、果汁はたっぷり。2センチ程の角切りにして食べてみてください。その小さなサイズでも、じゅわっと口いっぱい甘みが広がります。ですからフルーツポンチにいれるのはおススメです。梨の甘みがアクセントになってひと味違う美味しさになりますよ。

美味しくいただく習慣

幸水は暑い時期に収穫されるので日持ちはしません。食べごろにご注意ください。皮の表面に斑点があるほうが美味しいといわれます。(梨の一つ一つに袋をかける”有袋栽培”、かけないのを”無袋栽培”といいます。 有袋栽培は皮のざらざらした斑点が目立たなく、無袋栽培は斑点が大きく目立ちます。

無袋栽培は、虫の被害にあいやすく、傷がつきやすいのですが、お日様を十分浴びて、甘く濃厚になります。この皮のザラザラの斑点は水分を閉じ込めておくためのコルクの役割。ザラザラ感は熟すにつれて減っていきます)

どの梨にも共通するのですが美味しく食べるちょっとした習慣があります。

  • 上から見たとき、果形が正円に見えるものも美味しさの印。
  • 小さいものから大きなものまで育て方でサイズに幅があります。

大玉は栽培が難しいので高い技術力の証。美味しさの醍醐味を味わうなら大玉がオススメだそう。(大玉は品種による味の個性の違いがわかりやすく味わえます)

常温保存の後、切ったら1時間程冷蔵庫に入れ冷やすとちょうどよいです。冷やしすぎると甘みを感じにくくなります。基本的に軸側よりもお尻の部分のほうが糖度が高い傾向にあります。くし形にして軸側から食べると、最後まで甘味がしっかり感じられます。

幸水は切ってから冷やす

幸水は最もポピュラーな梨。どこにでもあるからこそ様々な産地や農園から生まれる味の違いを比べてみるのも面白いかもしれませんね。

(文・写真/ほしまさみ)

東京都区内で唯一!気軽に梨狩り—内海果樹園さん