鳥取といえば、20世紀梨。作り手から見たその特徴とは!?

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鳥取の梨といえば、二十世紀梨

先代の畑を引き継ぎ梨を生産する前田さんの園地は鳥取市、鳥取自動車道川原ICからさらに奥へ5km程進んだ西郷地区という豊かな自然に囲まれたところにあります。

300本ほどあるという梨農園の6割が、二十世紀梨なのだそうです。百年も前から生産されているという歴史を持つ鳥取県の二十世紀梨。その生産量は全国一位、国内生産料の約半分を占めています。前田さんの園地も、曾祖父の代から引き継がれており、つまり4台目となります。歴史を感じますね!

梨の栽培は天候との闘い、そして一年中コツコツと。

20世紀梨特徴

一年中、やることがない時期はないという梨生産。12月から3月までの冬季、手作業で300の樹を丁寧に剪定していきます。剪定が終わり、4月10日頃から花が咲き始めます。ここからまた手作業で人工授粉という地道な仕事が9月頃まで続きます。同時に、5月頃から摘果作業が始まります。いわゆる「間引き」です。台風など天候の予測、栄養分の分配などを考えながら慎重に摘果していきます。おおよそ、8個つく実の中からから一つを選んで間引いていきます。

早い品種は9月頃から収穫が始まります。前田さんが生産している品種は二十世紀の他にも十種類くらいあり、収穫期も9月から12月頃までと、長く続きます。品種によって作業の時期も違うため、一年中気を抜くことができません。中でも、二十世紀梨はとても繊細なため、他の品種に比べて特別作業も多いのだそうです。とにかく台風には悩まされるとのこと。台風被害も年によってまちまち。少ない年もあれば、多い年もある。自然相手の仕事ならではの厳しい現実なのです。

二十世紀梨の特徴、箱入り娘ならぬ袋入り娘

とにかくデリケートな二十世紀梨。肌がとても弱く病気にもかかりやすいため、他の梨にはかけない手間がかけられます。よく果樹園で、樹に生っている果実が一つずつ丁寧に袋がかけてある風景を見ることができますね。梨も一つ一つ袋がかけられます。実は、他の品種一枚かけるだけのところ、二十世紀梨には三枚もかけるのだそうです。ただでさえ手のかかるそんな箱入り娘ならぬ袋入り娘、二十世紀梨を前田さんは減農薬で栽培。薬に頼らない分、手作業で一つ一つ丁寧に作られています。そしてさらに、有機栽培による生産も研究されているとのこと。味だけでなく、二十世紀梨ならではの美しい緑色、そして私たちが安心して食べられるよう丹誠込めて作られているのですね。前田さんは「他の品種に比べてとても手間のかかる作業の数々は鳥取のマメな県民性があってこそ。」であると語ります。

昨今では甘さ重視の傾向にある果物市場ですが、甘味も酸味もありみずみずしさが自慢の二十世紀梨は秋の始まりを感じられる9月頃、旬がやってきます。まだ少し暑さが残るこの時期にたっぷり果汁を含んだ実をシャキッといただきたいですね。

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