鳥取県期待の新品種「新甘泉」
鳥取県を代表する「二十世紀梨」。実は鳥取県の梨の生産状況は2000年頃から少しずつ変化しているのです。農業の機械化が進む中、「二十世紀梨」の栽培に好都合であった「傾斜地」には機械が入れず、まだまだ手作業が多く続いています。
また、「二十世紀梨」は袋がけ作業が2回もあり、栽培にはとても手間がかかる上に、農家さんの高齢化、後継者不足、梨の木の老木化など問題が重なっていきました。
梨の市場価格の低下など厳しい現実を前に、鳥取県園芸試験場は鳥取を代表する次世代の梨の改良に挑みました。20年かけて研究に取り組んだ結果、二十世紀梨と収穫期が異なり、しかも高糖度・高単価を見込める新品種「新甘泉(しんかんせん)」が誕生したのです。
関東でも人気上昇中
「新甘泉」は「赤梨」と「青梨」を掛け合わせて作られました。誕生した「新甘泉」は赤梨で、芳醇な甘さとジューシーさをベースに、シャリシャリとした二十世紀梨のような食感を持ち合わせます。
誕生したばかりの「新甘泉」は収穫量が少なく、当時は鳥取県周辺でしか手に入らないものでした。その美味しさはみるみる話題となり、年々収穫量も伸びていき、ここ5〜6年で関東の百貨店にも並ぶようになりました。
近年は東京の高級フルーツ店で「鳥取県オリジナルの梨」と銘打って、「新甘泉」を使った梨のデザートメニューも展開されるなど、関東でも人気が高まっています。
こだわりの梨をぜひ贈り物に
いつでも、どこでも、なんでも、すぐに手に入る時代です。だからこそ、その土地でしか獲れないもの、限られた時期にしか手に入らないもの、これらの価値はより大きくなりました。こだわりの美味しさを味わえることはとても貴重なことなのです。
「新甘泉」は贈答用としても人気が高く、ネット通販では農家さんが美味しさのピークを見極めて出荷します。「新甘泉」の出荷時期は例年8月末から9月20日あたりまで。「敬老の日」の贈り物に、鳥取県の「新甘泉」はいかがですか?