カニは部位によっておいしさいろいろ
鳥取の冬のごちそうといえば「松葉ガニ」。カニ鍋、カニしゃぶ、焼きガニなど、冬の食卓を豪華に彩ってくれる食材のひとつです。最近は、産地直送の品質の良いものが通販で買えるようになりましたが、カニは足や爪などそれぞれの部位で味わいが異なるのは御存じでしたか?マグロに大トロ、中トロ、赤身があるようにカニも部位ごとに名前があり、特徴があります。「カニ味噌」「ハサミ」「足」などは分かるけど、詳しくは分からない方も多いはず。そこで、今回は“意外と知らないカニの部位”について調べてみました。
松葉ガニの部位と特徴
松葉ガニを、「ハサミ」「足」「胴体」の3つに分けて解説します。それぞれの部位の名称とその特徴とは?
ハサミの部分
爪先
親爪以外の足の先端にある爪。身はかなり小さいので、大きなカニでないと取るのは難しいかもしれません。
親爪
カニのシンボルともいえるハサミの部分。よく動かす親爪は、どの部位よりも殻が硬く繊維がしっかりしています。身がしまっていてプリプリとした食感が特徴です。
ボンボリ
親指と下爪をつなぐ関節部分。身が少なく、小さいのでスルーされがちですが上品な味わいが楽しめます。ひなまつりの「ぼんぼり」に似ていることから名前が付いたそうです。
爪下
ボンボリから下の甲羅につながっている部分。えさを獲るためによく動かす腕のような部位で、“プリプリ”と“ふわトロ”の両方の食感が楽しめるそうです。
足の部分
ナンバン (南蛮)
爪先の下にある細長い部分で、爪下とラッキョをつなぐ関節部。身は小さいけど甘味があります。
ラッキョ
ナンバンの下にある関節部。残念ながら身は少ないです。足のむき身の持ち手になる部分。
棒(棒肉)
足の中でいちばん太い部分。旨味がつまっていて食べやすく、カニの中で最も人気がある部位。特に、ハサミの下の1~2本目は太さがあり食べ応えがあります。ちなみに一番下の小さな足は「小指」といいます。
胴体の部分
甲羅
背にあたる部分が「甲羅」。カニ味噌やほぐした身を入れた甲羅焼きや、カニグラタン、日本酒を注いで甲羅酒など、甲羅自体は食べられませんが、利用の仕方はたくさんあります。
ふんどし
腹側の下に付いている丸い部分。「ふんどし」「はかま」「前掛け」などと呼ばれます。実は、この中には小さな身が入っていて、弾力があり珍味ともいわている部位なんだとか。メスはこの内側に卵を抱いていて、内子はもっちり、外子はプチプチとした食感が楽しめます。
ガニ
魚でいうヒレにあたるもので、カニの中でも食べられない部位。カニが酸素を取り込む際のフィルターの役割をしている部分で、不純物や雑菌が多く含まれているためです。
肩肉
足の棒肉の付け根の部分。食べにくいけど旨味があってジューシー。濃厚な出汁が出るので、身を取った後は捨てずにみそ汁などで再利用しましょう。
カニみそ
カニみそといっても味噌ではありません。人間でいうと肝臓や膵臓にあたる部位。松葉ガニの味噌は濃厚でクリーミー。茹でたカニであれば味噌をスプーンですくってそのまま食べられます。
通販などでよく見かける「ポーション」「ハーフポーション」とは?
「ポーション」とは、カニの殻を取って剥き身に加工された商品のことで、捨てる殻も少なくそのままパクっと食べられるのが特徴です。また、「ハーフポーション」は、殻の上半分を剥いたもので「ビードロカット」とも呼ばれます。自分で身を取って食べたい方はハーフポーションがおすすめです。ポーションは「棒ポーション」「カニ爪ポーション」など部位によって様々な種類があるので、鍋、焼きガニ、フライなど用途によって選んで下さいね。
“意外と知らないカニの部位” いかがでしたか?カニとひと口で言っても、こんなにたくさんの部位があったとは驚きですね。家族で部位の話しをしながら食べ比べをするのも楽しそうです。もし、まだ食べたことがない部位があれば、ぜひ食べてみて下さいね。