家族への想いのこもった鳥取産の無加水鍋「グリヴ」

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ホーローの技術を活かすものをつくりたい

鳥取県鳥取市にある太洋住研ホーロー株式会社は、1967年に鳥取三洋電機株式会社の協力工場として鳥取に進出後、各種ホーロー部品の製造加工および販売を行う企業として1980年に設立されました。51年の歴史がある太洋住研ホーロー株式会社では、電化製品や調理器具、暖房用機器やガス機器など様々な製品のホーロー部品製造と並行して、ホーロー鍋を製造販売しています。

無加水鍋グリヴ

ホーロー部品を長年製造してきた企業が鍋を製造販売している理由を尋ねると、製造統括部長兼開発センター主任研究員の吉澤浩さんは、

「ホーローで培ってきた自社の技術をなにかもっと別のものに活かしたいと考えるようになり、検討を重ねた結果、身近にある鍋をつくることに決めました。そして、同じつくるのであれば、普通のホーローの鍋ではなく、コストは高くても、自分たちが本当に良いと思える鍋をつくりたい。琺瑯(ホーロー)屋の技術を形にしたものをつくりたい。」

無加水鍋グリヴ

と話してくれました。そして、何度も試作を繰り返し、いままでにない鍋「grive」(グリヴ)が生まれました。

無加水鍋グリヴへのこだわり

無加水鍋グリヴ

吉澤さんがつくるグリヴは、ホーロー用鋼板を使用し、鋼板から成形しています。鍋の内側には耐蝕性に優れた加工を施していることで、長期間汚れがつきにくく、ついた汚れも落としやすくなっています。

無加水鍋グリヴ

フタは厚めのミトンを使用してもつかみやすい形状にしてあり、中央にくぼみをつけることで、調理中の水滴を中央に集めて循環させ、素材の水分を効率よく鍋の中で利用するなど、細やかな工夫がされています。

無加水鍋グリヴ

グリヴは鍋の厚みは2.9mmと厚く、温度の上昇と下降がゆるやかになり、鍋全体は安定的な熱量を保つことができるので、焦げ付きにくく、煮込み料理に適しています。中でも試してほしいのが「お米を炊くこと」。グリヴでお米を炊くと、お米本来の旨みを感じることのできるそうです。

実際に、吉澤さんや従業員のみなさんが使用しながら試作を繰り返し、機能の向上をはかってつくられたグリヴは、使いやすさにも配慮されています。また、グリヴを使う時の参考用にオススメレシピを冊子にして鍋に同梱したり、ホームページでレシピを公開しています。

グリヴを届けたい

鍋grive(グリヴ)

多くの家庭で使っていただきたいという強い想いはありますが「まだまだ知られていない」と吉澤さん。他社の鋳物製の鍋や、海外製品などが市場では人気となっていますが、構造上や安全性の違いなども含めて、広くグリヴの魅力を伝えきれていません。

吉澤さんをはじめ太洋住研ホーロー株式会社のみなさんは、「グリヴ」を広く知っていただけるように、ガスメーカーや電力会社のイベントなどで、他の商品との違いや、グリヴの魅力を紹介しながら直接販売しています。

すこしずつ認知度を高めたことで、今では、鳥取県の県産品として認定・登録され、鳥取のおすすめ品をインターネット販売している「とっとり市」でも購入できるようになりました。「とっとり市」で販売している、スノーホワイト、チェリーピンク、インディゴブルーの3色のほかに2色、グリヴは5色展開しています。

鍋grive(グリヴ)

この5色の色選びにも、安全性に基づく意味があります。調理道具である鍋に必要とされる熱伝導性、保温性、耐久性など美味しいものを調理するために必要とされるスペックを求めながらも、毎日家族が口にするものをつくる鍋だからこそ、本当の意味で安心・安全なものを提供したいという想いが込められています。

太洋住研ホーロー株式会社の長年培われてきたホーロー製造技術から生まれた鍋「グリヴ」は、美味しいものを安心して作れる鍋。これから多くの家庭に鳥取発の鍋が届けられていくことでしょう。

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