エビってどんな色?
日本人のエビ消費量は世界でも有数だそうですが、「エビ」と聞いてどんなイメージが浮ぶでしょうか?和食や洋食に中華とあらゆる料理に調理されたエビは大人から子どもまで大変人気があり、弾力のある食感や旨み、そして食欲をそそる鮮やかな“赤色”が特徴です。生のエビを加熱すると茶褐色や黒、青みがかった部分は赤に変化していきます。食べ頃になったエビの身が赤く変化するのはなぜでしょうか?それはエビなど甲殻類の殻に含まれる「アスタキサンチン」という色素成分が関係しています。
加熱でエビが赤くなる理由
「アスタキサンチン」という色素成分自体は赤色ですが、「たんぱく質」と結合してエビの保護色に適した茶褐色や黒、青みがかった色になって殻の中に存在します。エビを加熱するとたんぱく質と分離したアスタキサンチンが、元の色を取り戻して殻が赤くなるというカラクリなのです。直物由来のアスタキサンチンが、なぜエビに含まれるのか?これには食物連鎖が関係しています。アスタキサンチンはもともと、ヘマトコッカス藻という藻類に含まれています。この藻を餌にしたプランクトンをエビが捕食した際、殻にアスタキサンチンが取り込まれるのです。
鳥取のモサエビ?
海の中では保護色をまとい生息しているエビですが、ブラックタイガーのように黒や青みがかったもの、車エビや芝エビなどのように茶褐色のもの、また、甘エビなどのように加熱する前から少し赤みがかったものなど様々なエビがいます。これは餌や環境、遺伝などにより、両成分の含有量で左右されるといわれています。
鳥取には幻のエビと呼ばれる「モサエビ(猛者海老)」がありますが、こちらも赤みをおびており、特に春頃(漁期は9~5月)に見られるエメラルドグリーン色の卵との対照的な色合いが印象的です。刺身はもちろんですが、焼いたり酒蒸しなど加熱しても香ばしさや甘味が強くなり、鮮やかな赤い色が食卓を華やかにしてくれるでしょう。