お米農家の仕事は米を作ることではない/砂川重雄さん(鳥取市鹿野)

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鳥取市鹿野で出会ったお米農家砂川重雄さん

鳥取市のお米

鳥取市鹿野は、鷲峰山など多くの山々に囲まれた豊かな自然があふれる地域。棚田には冷たい水が豊富に流れ、おいしいお米の生産に適しています。一方、斜面が多いため作業がむずかしくなることも多い地域です。特に草刈りは田植え前に大々的に行ってからあとは定期的に作業していきますが、夏場や雨の後は草が伸びるため、斜面の多い中山間地の田んぼは特に大変なのだそうです。

そんな鳥取鹿野で米農家の砂川さんに出会いました。サラリーマン時代に兼業ではじめ、今ではお米作りを専業で営んでいます。砂川さんのお米は「香り」「つや」「甘み」の三拍子揃っていると評判です。美味しいお米の特徴でもある、冷めても美味しいお米だそうです。これは食べてみたいですね!

お米農家砂川さん

「おいしいお米にはとにかく水と土!」と砂川さん。化学肥料を使わず、木の枝や牛糞・米ぬかなどを三年程寝かせて丁寧に作られた自家製肥料、そして鳥取で取れる紅ズワイなどのカニの殻を使った肥料を使って、長い年月をかけ地道にコツコツと土を作ってきました。これに山から流れるミネラルたっぷりの水が加わり、最高においしいお米ができるというわけですね。

お米農家の仕事は米を作ることではない

「水が入ればあとは人ができることはお手伝いだけ」砂川さんが理想とするのは「江戸時代の農業」。化学肥料を使わず、コツコツ作り上げた田んぼの土に含まれている多くの微生物が良質な土作りを手伝ってくれます。自然にまかせたお米作りは、年によって出来の善し悪しもあります。

その中で、お米農家の役割は、お米自身が最大限の能力を発揮して美味しくなるために、手助けをすることと砂川さんは考えます。田んぼの環境も場所によって変わる中で、偏りが無いように手を入れ、地道に努力をするしかないのだとか。美味しいお米は美味しい田んぼで育つのですね。

お米を通販で直販する理由

みなさんはお米を選ぶとき、どのように選びますか?例えば「コシヒカリ」といった銘柄でも、育った環境、そして作る人によって全く味が違います。実際にお米を通販などで買うときを考えると、地域や銘柄で選ぶことが多いのではないでしょうか。「お米を作る人」からお米を選ぶことはなかなかないと思います。

地域や銘柄に関わらず、普段使いのお米として選んでもらうためには、まず食べてみてもらわないとわかりません。そのため、砂川さんは、お米を直接届けることが出来る販売方法にこだわりを持っています。お米農家のお米が美味しいのは当たりまえ。だからこそ、砂川さんは「砂川さんのお米だから食べたい」と選んでもらう、そんな農家を目指しているのです。

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