レンコンのアク抜きは必要?不要?
レンコンと言えば、食感も楽しく、穴が空いた形状から“先の見通しがつく”という縁起のよい食材としておなじみですよね。レンコンには、豊富な食物繊維とビタミンC、ポリフェノールが多く含まれます。レンコンのポリフェノールは、食品の渋みやえぐみの素でもある「アク」と呼ばれ、空気に触れることで茶色く変わってしまう特徴があります。「アク」は栄養素であり、味わいでもある―-いわば“食材の個性”とも言えますね。
料理の仕上がりをイメージしてアク抜きを選びましょう
結論から言えば、色や味にこだわるならアク抜きをして、栄養のためならアク抜きをしないことをお勧めします。また、収穫の時期にもよりますが、新鮮なものほど、アクは強くありません。
アク抜きは簡単です。レンコン一節(約200g)に対し、水500ml・酢を小さじ1入れたものに5分程度さらします。なければレモン果汁でも代用できます。酢は、ムチンと組み合わさることで、シャキシャキとした歯ごたえがさらに増し、変色を防ぐ効果があります。ただ、アクの栄養分は水に溶けやすい性質があるので あまり時間を置かないように注意しましょう。
アク抜きは、サラダ・なます・きんぴら・てんぷらなど彩りや食感を意識した料理に適しています。醤油などで味付けや、ホクホクした煮物や、ハンバーグのタネなどに用いるのなら、変色や食感は気にならないのでアク抜きは不要です。
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それでも、栄養をそのままに、色留めも可能な限り―と、望む方には、料理の後半にレンコンを登場させることをお勧めします。すり下ろして調理する団子などは、先に混ぜ合わせる具や調味料を準備しておく、サラダ料理などにはスライサーをお湯の上で直接行うなど空気に触れる時間をできるだけ短縮することもポイントです。レンコンの調理法に合わせて、上手に個性を活かしたいですね!
(文・写真/正野美雪)