土鍋で炊く春の七草粥~お米から炊くお粥は格別!~

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効能に優れた野草、春の七草

一月七日の朝、七種類の野草でつくったお粥を食べる「七草粥」。中国から伝わった「人日の節句」の行事食として平安時代から始まったこの風習ですが、現在のように7種の野草で作られるようになったのは鎌倉時代で、「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、これぞ七草」と歌われ、人々の暮らしに定着しました。

春の七草で「七草がゆ」を食べる意味ってなに?

新しい年に芽吹く野草を使った七草粥は、お正月のご馳走で疲れた胃腸を休める効能に優れているほか、代謝が落ちる冬の間に体に溜まった毒素のデトックス効果もあります。野草の苦み、いかにも効きそうです。

春の七草ってどんな野草なの?

この季節に店頭に並ぶ「春の七草セット」ですが、パックの中にまとめて入れられた七草を見るたびに毎年思うのは、「ちゃんと七種類入っているかしら?ほとけのざってどれのこと?」

春の七草

確かめてみました。絡まった葉と茎をほどき、葉の微妙な違いを見比べて、悩むこと三十分。パックの裏に書いてある絵を頼りに並べたのがこれ。確かにありました、七種類の七草です。

スズナは小さなカブ、スズシロは小さな大根、と分かりやすいのですが、ナズナとホトケノザの違い、来年までにはまた忘れてしまいそうです。

春の七草

土鍋で炊く七草粥

炊いたご飯を使った即席粥も手軽ですが、お米から炊くお粥は一粒一粒がふんわりしていて格別です。なかでも土鍋は、ゆっくりと熱を伝えながら鍋全体で炊き上げるため、お粥を炊くには最適です。

土鍋粥

1.七草粥の下準備

研いだお米と水を土鍋に入れます。やわらかいお粥はお米と水を1:10、かためのお粥は1:5〜7が目安です。土鍋で炊くお粥は、後から水を足して好みのかたさにすることもできますから、水加減にはあまり気を使いません。

土鍋粥

2.炊く

次に、フタをして強火にかけます。鍋全体がゆっくりと暖まる厚手の土鍋は、強火にしても、焦げにくいので安心です。沸騰したら火を弱め、フタをずらしてコトコト炊き上げます。

吹きこぼれを避けたければ、フタを取ってしまってもかまいません。フタが開いていると、ついついかき混ぜたくなってしまいますが、粘り気がなくサラリとしているのが美味しいお粥です。そのまま待つこと30〜40分。この間に七草を細かく刻みます。

七草を刻んで入れる

3.完成!

お粥が好みのかたさに炊きあがったら、刻んだ七草を加えて軽く混ぜ合わせ、フタをして蒸らします。スズナとスズシロに火が通ったらできあがりです。塩は七草と一緒に加えても良し、食べる時にそれぞれの手元で加えても良し。温かいうちにいただきます。

七草粥

写真・文:伊藤陽子(ヨウデザイン)

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